【記事の内容】
長屋再生で地域活性化
「建物を見守り、育てる」をコンセプトに、地域との密接なつながりを持つ建物の意義と、建設業の社会的役割を常に問い掛けながら事業を展開する総合建設業。現在、長屋の再生(リフォーム)事業に力を入れている。
昨年三月、大阪市鶴見区にある老朽化した四棟の四軒長屋所有者から建て替えに関する相談を受けた。広さから考えてマンションにする案が多くの業者から提案されたが、工事による近隣への迷惑や費用、経営面など所有者に大きな負担がのしかかる。「この状態なら新築でなくても」と竹本組が再生への道をつないだ。
再生は「基礎」「土台」「柱」「梁(はり)」「屋根」など「主要構造部」といわれる部分を残し、補強して改築する方法。新築に比べ、費用・工期・廃材が三分の一程度に抑えられるという。技術的・金額的に、建て替えの方が業者にとっては都合のいい場合も多いが「所有者の意見を尊重し、できるだけ負担がかからない方法を提案したかった」と竹本泰広社長(四二)は話す。
実際、古くからある木造家屋は多湿な夏と乾燥する冬を迎える日本の風土に合っており、地震にも強いそうだ。「古いからつぶすのではなく、できるだけ使って生かしたい」と地域とともにある建物への愛情をのぞかせる。
再生した長屋は賃貸住宅として十四戸を貸し出し、若い世代を中心に人気を集めて全戸契約となった。地域活性化にもつながったという。
「現代のニーズに合わせ、地域住民に喜んで活用してもらえるようにするのが再生。単なるリフォームとは違う」と竹本社長。「長屋を建てたからといってコミュニティーができるという単純なものではないが、街は人が集まってこそ。一助になればと思う」。
地域の中での役割やニーズを見据え、店舗、住宅などベストな形態を模索。地域に溶け込み、愛され、地域とともに育つ物件を手掛けていく。
(山本聖子)
|